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ナガハナダイとミナミハナダイPseudanthias elongatus Luzonichthys waitei

 

 

 

 

ミナミハナダイ Luzonichthys waitei

 

 

大瀬崎 先端の水深50mオーバー。

久しぶりの大深度。正確な水深はここでは書くのをやめておこう。

50mオーバーの水深に潜るのは、なんと20年前のトラック(現在のチューク)以来だろうか。

 

大深度ダイビングには、ちょっと不安を感じるトラウマがある。56mの水深で流れに逆らって泳いだことがあるのだが、あの時はまだ経験本数も100本少しで、何がなんだか分からないまま、ただひたすら水面を目指して泳いだ記憶がある。今考えればよくも減圧症を引き起こさなかったものだ。ダイビングコンピュータなんて誰も持っていない、というか、発売されていたのかな?そんな時代だったから、誰もがダイブテーブルを水中で読むか、頭の中の記憶だけを頼りに時計と深度計を見比べていたものだ。それに比べれば、とても便利な時代になった。ダイブテーブルの引き方なんて覚えていなくても、全てコンピュータがやってくれる時代になったのだ。

 

実は、この日、朝から先端の深場を狙おうという計画をしていて、とても楽しみだったのだ。20代に経験した恐怖感を克服する勇気はあったのだが、もしものときの体力には自信がなかった。それでも楽しみだったのは、4桁の経験本数を積み重ねて、幾分リスク判断ができるようになったことと、何よりも大瀬崎のハナダイの美しさに惚れ込んでしまったからなのだ。

 

50mを超えればミナミハナダイの群れに合えるかもしれない。朝からウキウキしながら14リッタータンクをBCにセットしていた。先端ポイントからのエントリーは楽チンだが、時として流れがあり、トラウマが蘇ってくることもある。でもこの日は全く流れもなく、エントリーから数分後には、目的の場所にたどり着くことができた。伊豆海洋公園のブリマチで深く潜ったとき、あれは46mだったが、真っ暗闇だった記憶がある。パラオでそれこそ振り切れんばかりの水深に潜ったときは、逆にどこまでも真昼の陽光を感じることができた。今日の冬の大瀬崎では、透き通った冷たいブルーの光の矢が海底深くまで真直線に突き刺しているかのようだ。

 

思ったとおりミナミハナダイが混ざった小さな群れに出会うことができた。しかし、速い。ミナミハナダイは体長が4~5cmと小さい上に移動が速い。同じ場所にホバーリングするキンギョハナダイや、以外にのんびり屋のサクラダイとは訳が違う。ファインダーで捕らえたと思った瞬間、既に画角から抜け出している。これは以外に厄介だぞ・・・そう思いながらようやく数カットの手応えを感じた。(後からこうして見てみると全然撮れていないが・・・)

 

あっという間に時間が過ぎ去り、既にコンピュータはDECOの点滅。酔いが始まったのか、幾分呼吸が遅くなってきているようだ。もうこの位にして上がろう・・・そう思ったとき、ナガハナダイが挨拶に来てくれた。

 

 

 

 

 

ナガハナダイ Pseudanthias elongatus 

 

 

なんとも美しい天女の降臨。

大瀬崎のハナダイは特に美しい。

東伊豆で見るハナダイと比較して、色濃く輝いて見えるのはなぜなんだろう。

東伊豆では青物・・・タカベやアジ、イナダが美しいと思う。

そうか、太陽が差し込む角度が違うのかな?

そんな事を考えながら浮上を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

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