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2010年1月24日

千葉県鋸南町明鐘岬 奇跡の海のパワースポット

 

このブログでは、大瀬崎・大瀬神社が稀に見るパワースポットであることを、多々ご紹介してまいりました。

さらに大瀬神社(引手力命神社)と三嶋大社の関係、静岡県に点在する嵐山という地名と、東伊豆の引手力男命神社との関係、そして千葉県明鐘との結びつきを紐解いてきました。その記事をパロパロアクアティック主宰の魚地司郎さんが読まれ、「まさに関係があるのではないか」との貴重なご意見を頂戴しました。というのも、魚地さん曰く、明鐘の海は東京湾の中でも類稀な特別な海であり、周囲には見られない特殊な生態系があるということです。生態系の特殊さはパワースポット共通に見られる特徴です。早速、明鐘がいかに特別な場所なのかをご説明していきましょう。

 

明鐘の海の特殊性

1日のダイビングで数十種類のウミウシが観察できる比類ない海

このブログでご紹介してきたように、明鐘といえばウミウシが特に有名。ダイバーの中でもマニアックなウミウシファンたちが集うこの海は、単純にウミウシが好きというファンダイバーもいれば、深く生態を研究するマニア、あるいは専門的に研究されている研究者の方、博物館の有名な先生方、国公立大学の教授・助教授、珍しい海の映像を追い求めるプロのカメラマン、米軍関係者・・・あらゆる業界の方々が集まってくる不思議な場所です。

はっきりいって、この事だけでもパワースポットと言っていいかもしれません。ただダイビングを楽しむだけでは物足りなくなったら、パロパロアクアティックさんに出かけられてはどうでしょうか?眼から鱗・・・今までのダイビングはなんだったのか?というほどの拘りのガイディングを楽しむことができます。

ウミウシファンに支持されているウミウシ図鑑.com。こちらのサイトを見れば一目瞭然。明鐘で発見されたウミウシの数の夥しい事・・・。

冬のベストシーズンでは、1日のダイビングで40種類を越えるウミウシを観察することができる事も決して珍しくないといいます。豊富な種類と一言で言いいますが、内容的にはとても興味深く、はるか南方系のウミウシから、北方のウミウシが狭いこの明鐘岬一帯のエリアで観察することができるのです。これは非常に特別な事であるといわざるを得ません。

また非常に珍しいウミウシが出没することも見逃せません。昨年、一世風靡したハナデンシャから始まり、沢山の希少なウミウシがこの海域で観察することができるのです(もちろんいつも見れるわけではありませんが・・・)。

 

豊富な珊瑚

次に注目すべきは、東京湾屈指のソフトコーラルの群生地であるということです。

エダミドリサンゴ、キクメイシ、ニホンアワサンゴといった珊瑚たちが見事な珊瑚礁を形成している命の海です。

研究者からすればとても興味深い生態系だそうで、南方の珊瑚たちが豊富に育成しているほか、その北限となっているケースも少なくないそうです。我々がダイビングのためにエントリーする、渚の潮溜まりにはなんとキクメイシモドキ(Oulastrea crispata)という関東地方では非常に珍しい珊瑚がびっしりと成育しており、その北限になっているそうです。

 

 

東京湾 明鐘岬の珊瑚 

 

東京湾 明鐘岬のソフトコーラル 

 

 

東京湾 明鐘岬のソフトコーラル 

 

東京湾 明鐘岬のソフトコーラル 

 

東京湾 明鐘岬のソフトコーラル 

 

東京海底谷に直結する鯨道

 約2万年の昔。東京湾はまだ陸地であったそうです。その頃、古東京川と呼ばれる渓谷が存在し、これが後に海底に沈み、浦賀水道と東京海底谷となります。つまり、2万年前は数千メートルの高山だった場所が、今のゼロメートル地帯。深い渓谷の底だった場所は、2500mの深海を形成しているのです。

この東京海底谷に沿って、世界の3大海流である黒潮が東京湾に流れ込みます。この時、明鐘岬の南側にある「浮島」に黒潮がぶつかります。浮島は、直接、東京海底谷に直結する稀有なる場所です。

 

実はこの浮島周辺は、日本神話の原点であり、天皇家の墓とも呼ばれる神聖なる霊場です。紀元111年、景行天皇の息子、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が相模の国から上総の国へ船で渡ろうとするとき、海が突然荒れ狂ったといいます。その海を沈めようと自ら犠牲になり海に飛び込んだ妃(弟橘姫:オトタチバナヒメ)の亡骸がみささぎ島に流れ着いたとされています。「みささぎ」という言葉は天皇・皇后の墓を意味するそうです。(鋸南町勝山の歴史・文化案内書より)

海を鎮めるために女性が身投げをして鎮護するという話は、この弟橘姫にはじまり、以前このブログで記したことのある川崎の女躰神社(にょたいじんじゃ)の伝説にも見ることができます。

 

この浮島には、鳥居島、朝貢島、高塚角、天王塚、天王井戸、天王通りなどと、天皇行宮にまつわる遺跡が数多く残されているといいます。毎年7月には島まつりが行われるのですが、このお祭りは別名「鯨まつり」と呼ばれています。そう、この鋸南町には古くから鯨にまつわる伝説が語り告がれているのです。

 

鯨は東京海底谷に沿って東京湾に入り込みます。しかし、その先には「熱塩フロント」と呼ばれる潮目で作られた自然の結界が立ちふさがります。潮目は筋目(ストリック)と前目(フロント)の二つに分類することができ、熱塩フロントとは、神奈川県久里浜と千葉県金谷を結んだ位置にできる潮目のことで、くっきりと潮目が確認できるほどのはっきりとしたフロントができるそうです。ちなみに久里浜~金谷のラインは東京湾フェリーの周航路でもありますね。

 

浮島からこの熱塩フロントの間の海域は、江戸時代、鯨漁(いさな漁)がさかんに行われた特別な海域でした。現在では漁は行われておりませんが、多数の鯨がこの海域を遊泳していることが知られています。東京海底谷の神秘性は、NHKによって広く報じられたミツクリザメの繁殖活動にも現れています。

 

さてさて、明鐘岬の神秘性・特殊性を語るにはまだまだ調査が必要なようです。

浮島や鋸山、勝山の歴史名所、神社仏閣など調査範囲はつきません。

7月のお祭りを目標にこつこつと調べていこうと考えております。

 

続編をお楽しみに。

 

 

 

 

 

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