クチバシカジカの抱卵 Grant Sculpin
宮城県南三陸町志津川の固有種。
日本ではこの場所でしか見ることができないクチバシカジカ (Rhamphocottus richardsonii, 英名:Grant Sculpin)です。
このクチバシカジカは、日本以外に北カリフォルニアに生息する事が、グラントスカルピン主宰の佐藤長明氏の調査によって確かめられているそうです。佐藤長明氏の話しによれば、カリフォルニアで発見されたのだから、もし今後、アリューシャン列島などで発見されれば、この種の分布が見えてくるのではないかということでした。
クチバシカジカの特徴としては、その顔つきが魚らしくなく、イノシシのような顔つきである事が上げられます。こんな顔をしている魚は他には見当たりません。
もうひとつ、面白いのは、鰭という鰭が退化していて水かきの役割を果たしていないのです。
足のように軟条(なんじょう)のみが発達して、水かき部分が退化しています。
したがってほとんど泳ぐ事ができず、常に岩場に張り付いた状態で過ごしています。
もし、クチバシカジカを中層に放り投げたとしたら、そのまま泳げずに落下してしまうのだそうです。
絶対に驚かさないように、注意して観察しなければですね!
クチバシカジカの抱卵
この個体は、お腹がパンパンに膨れていました。
きっと抱卵しているのでしょう。
クチバシカジカの卵から稚魚が孵化するまでには、7ヶ月というとても長い時間が必要だそうです。
もうそろそろ産卵の時期なのでしょうか。来春の5~6月にはかわいい稚魚たちを観察する事ができますね。
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: クチバシカジカの抱卵 Grant Sculpin
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://iforce.sixcore.jp/mt5/mt-tb.cgi/1055
コメントする