エムラミノウミウシ Hermissenda crassicornis
エムラミノウミウシの眉間の文様。
一文字の刀傷のように見える。
しかし、この一文字を見るとなぜか、東ローマ帝国十字軍のイメージが浮かび上がる。
オレンジにブラウンで縁取られた文様は実に美しく、気高い。
十字軍は良くも悪くも世界史に多大な影響を与えたが、その多くはキリスト教の教義の名における政治的な制圧活動だった。
エムラミノウミウシはそんな人間のおろかな歴史には関係がないが、ここ明鐘の海で見たエムラミノウミウシの気高さは、1000年前の血気に満ちた若者が正義感に燃えていざ旅立とうとする、十字軍に志願する若者たちの気迫を重い起こさせる。実際の十字軍は、そんな気高き印象とは裏腹に略奪と陵辱、虐殺の群集だったようだが、人間のそんなおろかさとは別に、エムラミノウミウシが纏っている勇者の鎧は美しく輝いていた。
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