2010年5月アーカイブ
2010年5月31日
マダコ Octopus vulgaris
怖い目つきでじっと睨んでいるのは、マダコです。
そうとう興奮している様子です。
最近、大瀬崎の湾内にタコがたくさんいます。
ちょっとした穴、岩のくぼみ、二枚貝の殻・・・どこを見てもタコ。
しかし、このタコ。
物凄く貪欲ですね・・・抱えている食べカスが・・。
二枚貝、イセエビ、ガラッパ・・・良く食べましたね。
- 観察地: 大瀬崎
- 学名: Octopus vulgaris
- 標準和名: マダコ
ハコフグ Ostracion immaculatus
暖かくなって来たせいか、ハコフグを良く見かけるようになってきました。
秋口に見た小さな黄色い幼魚たちは、だいぶ大きく成長して、こんな感じになりました。
なかなか正面を向いてくれないんですよね・・・・。
- 観察地: 大瀬崎
- 学名: Ostracion immaculatus
- 標準和名: ハコフグ
ハチ Apistus carinatus
昆虫類の「蜂」ではなく、魚類の「ハチ」である。
実は蜂よりもはるかに強い毒腺を持っている。
英名がScropion Fishという恐ろしい魚なのです。
刺されたら・・・大変。すぐに病院に行くしかありません。
- 観察地: 大瀬崎
- 学名: Apistus carinatus
- 標準和名: ハチ
カエルアンコウ Antennarius striatus
ちびカエルアンコウです。
ちょこちょこ良く動きます。
エスカをプルプルと振って餌を捕食します。
かわいい~~~。
- 観察地: 大瀬崎
- 学名: Antennarius striatus
- 標準和名: カエルアンコウ
2010年5月28日
サクラダイ Sacura margaritacea
サクラ・マルガリータ!
大瀬崎の宝石。とっても大好きな魚です。
冬の低水温期には、ダイバーが少ないためか、25m付近まで上がってくる事があります。
でも通常は、大瀬崎 岬の先端ポイントでは、35m付近から見かけるようになり、夏場はさらに深い40m付近まで下りないと見れません。
サクラダイのメスです。
サクラダイは生れた時は全てメス。成魚になると雄に性転換する珍しいさかなです。
カサゴの親分とサクラダイのメス・・・怖がって、雄のサクラダイが近寄れないようです。
おもしろいですね。
- 観察地: 大瀬崎
- 学名: Sacura margaritacea
- 標準和名: サクラダイ
オニカサゴ Scorpaenopsis cirrhosa
40cm近い大きなオニカサゴでした。
大瀬崎 岬の先端ポイントでど~んと構えてじっとしています。
周囲にはキンギョハナダイが群れていますが、捕食のチャンスを狙っていたのでしょうか。
- 観察地: 大瀬崎
- 学名: Scorpaenopsis cirrhosa
- 標準和名: オニカサゴ
ダイダイウミウシ Doriopsilla miniata
ダイダイウミウシです。
大瀬崎で大繁殖中。
沢山います。
しかも黄色いのやオレンジ色や、ベージュがかったもの・・・色のバリエーションが楽しめます。
- 観察地: 大瀬崎
- 学名: Doriopsilla miniata
- 標準和名: ダイダイウミウシ
2010年5月27日
カエルアンコウ Antennarius striatus
カエルアンコウ(Antennarius striatus)の赤ちゃん。
4cm弱の大きさの可愛い子でした。
今年はカエルアンコウの当たり年で、湾内だけで数十個体確認されているそうです。
チビケロ好きの方々は、是非、大瀬崎へ!
- 観察地: 大瀬崎
- 学名: Antennarius striatus
- 標準和名: カエルアンコウ
2010年5月25日
ナガハナダイ Pseudanthias elongatus
アサヒアナハゼ Pseudoblennius cottoides
アサヒアナハゼの若魚です。
つい1か月前までは、幼魚らしさが残った飴色の体色をしていたのですが、もうこんなに大人らしくなりました。
食欲旺盛で、何でも動いている物を食べようとします。
- 観察地: 大瀬崎
- 学名: Pseudoblennius cottoides
- 標準和名: アサヒアナハゼ
ヤマドリ Neosynchiropus ijimai
背鰭をピンと立てた雄のヤマドリです。
近くに雌がいるのですが、どうもプロポーズがうまくいかないようで、この状態で、もう何週間もこのあたりをうろついています。
- 観察地: 明鐘
- 学名: Neosynchiropus ijimai
- 標準和名: ヤマドリ
オセザキリュウグウウミウシ Tambja sp.
オセザキリュウグウウミウシという仮称でよばれているウミウシ。
ニシキリュウグウウミウシ属の一種という方が正確かもしれませんね。
- 観察地: 明鐘
- 学名: Tambja sp.
- 標準和名: オセザキリュウグウウミウシ
スイートジェリーミドリガイ Thuridilla albopustulosa
明鐘でこんな不思議なウミウシを見ました。
スイートジェリーミドリガイの幼体ではないかとの事です。
成体と違って模様が無いんですね・・・しかもとても綺麗なブルー。
- 観察地: 明鐘
- 学名: Thuridilla albopustulosa
- 標準和名: スイートジェリーミドリガイ
2010年5月24日
イシダイ Oplegnathus fasciatus
明鐘岬のアイドル的存在。
ダイバーがストロボを焚きながら撮影していると、必ず背後に近寄ってきます。
人懐っこいんですよね!
今度、名前をつけてあげよう。
- 観察地: 明鐘
- 学名: Oplegnathus fasciatus
- 標準和名: イシダイ
2010年5月23日
2010年5月22日
2010年5月21日
ミナミホタテウミヘビ Pisodonophis cancrivorus
明鐘岬の湾内・砂地に棲む「ミナミホタテウミヘビ」。
人懐っこくてカメラを近づけたら、にゅ~~っと寄ってきました。
- 観察地: 明鐘
- 学名: Pisodonophis cancrivorus
- 標準和名: ミナミホタテウミヘビ
ゴシキミノウミウシ Cuthona diversicolor
ゴシキミノウミウシがむしゃむしゃとお食事中でした。
あまりに夢中になって食べているので、そんなに美味しいのか?と気になってしかたありません。
- 観察地: 明鐘
- 学名: Cuthona diversicolor
- 標準和名: ゴシキミノウミウシ
ニシキリュウグウウミウシ属の一種 Tambja sp.
キヌハダウミウシとの見分けは、触角と二次鰓の色で見分けます。
まだ標準和名のない、このウミウシはご覧の通り、触角の先端と二次鰓がきれいな乳白色をしているんです。
- 観察地: 明鐘
- 学名: Tambja sp.
- 標準和名: ニシキリュウグウウミウシ属の一種
スズメダイ Chromis notatus
地味な色合いですが、透き通った眼が印象的なスズメダイ。
一般ピーポー的目立たない存在ですが、じっくり観察するととても素敵な魚だと気付かされます。
- 観察地: 大瀬崎
- 学名: Chromis notatus
- 標準和名: スズメダイ
2010年5月20日
トラパニア・トッドイ Trapania toddi
ラドマン博士が命名したトラパニア・トッドイ(Trapania toddi)。
ウミウシ図鑑ドットコムによれば、国内では志津川と明鐘でしか、発見の報告がありません。
ラドマン先生の「Sea slug Forum」では、日本以外に韓国や紅海からの報告もあるようです。
- 観察地: 明鐘
- 学名: Trapania toddi
- 標準和名: トラパニア・トッドイ
エゾキセワタ Melanochlamys ezoensis
とっても地味でちっちゃい。
でもメチャレア!
明鐘でも初観測だそうです。
しかし・・・地味過ぎて画にならん。
せめてもうちょっと大きくなってちょ。
- 観察地: 明鐘
- 学名: Melanochlamys ezoensis
- 標準和名: エゾキセワタ
2010年5月19日
ダンゴウオ Lethotremus awae
東京湾・内房 明鐘岬のダンゴウオ。
東京湾にもこんな可愛いダンゴウオがいるんですよ!
しかもグリーンだよ!
- 観察地: 明鐘
- 学名: Lethotremus awae
- 標準和名: ダンゴウオ
カドリナ・ルテオマルギナータ Cadlina luteomarginata
カドリナ・ルテオマルギナータです。
東京湾にこんなのがいるんですね!
信じられない・・・
以前志津川で見た、カドリナの仲間はこれ。
大きさが全然違いますね。
- 観察地: 明鐘
- 学名: Cadlina luteomarginata
- 標準和名: カドリナ・ルテオマルギナータ
ボウシュウボラ Charonia lampas sauliae
ボウシュウボラ(Charonia lampas sauliae)の子供ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
以前、ボウシュウボラの産卵の様子をお伝えしましたが、こんな感じになっていました。
卵と思えるものは、殻だけになっており、上にはボウシュウボラの子供?
しかし、卵から孵ったというより卵を食べているのではないかとも思えるのです。
どう思われますか?
- 観察地: 明鐘
- 学名: Charonia lampas sauliae
- 標準和名: ボウシュウボラ
コモンイトギンポ Zoarchias neglectus
コモンイトギンポ(Zoarchias neglectus)という魚だそうです。
Paro Paro Aquaticの師匠に教わりました。
はじめてみたのですが、とても愛嬌があって、カメラの前で何度も欠伸をしていました。
- 観察地: 明鐘
- 学名: Zoarchias neglectus
- 標準和名: コモンイトギンポ
アカイソハゼ Eviota masudai
東京湾明鐘岬では、あまりにもウミウシが豊富なので、ハゼ君たちの注目度がいまいち。
でも沢山いるんですよね~。
今シーズンは、徹底的にハゼ探索したいです!!
- 観察地: 明鐘
- 学名: Eviota masudai
- 標準和名: アカイソハゼ
ムカデミノウミウシ Pteraeolidia ianthina
東京湾・内房 明鐘岬の海には、どこをみてもこのムカデミノウミウシがたくさんいます。
きっと環境があっているのでしょうかね?
大型に育ったムカデミノウミウシは迫力あります。
- 観察地: 明鐘
- 学名: Pteraeolidia ianthina
- 標準和名: ムカデミノウミウシ
2010年5月18日
イガグリウミウシ Cadlinella ornatissima
イガグリってこうしてオーバーハングした所にいる事が多いんですよね。
真正面から撮影して見たいんですけど・・・
もうちょっと、前に出てきてくれないかなぁ~
- 観察地: 明鐘
- 学名: Cadlinella ornatissima
- 標準和名: イガグリウミウシ
エダウミウシ Kaloplocamus ramosus
エダウミウシだと思うのですが、触角の様子がちょっと違うような気もします。
ヒカリウミウシの仲間なので、枝状の突起が光るらしいのですが・・・
是非、光っているところを見てみたいものです。
- 観察地: 明鐘
- 学名: Kaloplocamus ramosus
- 標準和名: エダウミウシ
2010年5月17日
ドト・ラケモサ Doto racemosa
東京湾の内房には、このドト・ラケモサがいます。
西伊豆でもなかなか巡り合わないのに、沢山いるんですよね。
う~ん。
明鐘の海ってすごいですよね。
- 観察地: 明鐘
- 学名: Doto racemosa
- 標準和名: ドト・ラケモサ
ベニシボリガイ Bullina lineata
春だなぁって感じ・・・>東京湾内房・明鐘岬ではベニシボリガイがたくさん産卵してます。
美しいですね。
命が輝いているって感じですね。
- 観察地: 明鐘
- 学名: Bullina lineata
- 標準和名: ベニシボリガイ
2010年5月16日
シロホクヨウウミウシ Tritonia festiva
明鐘岬でのダイビング。
以前から、この明鐘のある場所だけ、この「シロホクヨウウミウシ」が棲息する場所があります。潮通しが良く餌となるウミイチゴが豊富な場所です。前回みたときからまた一回り大きくなりました。
- 観察地: 明鐘
- 学名: Tritonia festiva
- 標準和名: シロホクヨウウミウシ
Flabellina verrucosa フラベリーナ・ベルルコサ
中野理恵さんの本州のウミウシ―北海道から奄美大島まで の239ページに記載されている、Flabellina verrucosa フラベリーナ・ベルルコサだと思われます。ぱっと見、アカエラミノウミウシにも見えるのですが、アカエラの特徴であるボディの白いドットが無いので、見分けられます。
フラベリーナ・ベルルコサは、東北より北の海、アラスカやカリフォルニアの寒流の海に棲むウミウシだそうで、ここ羅臼の水温0℃以下の海に似つかわしい、コザクラミノウミウシ Flabellina athadona とともに知床を代表するウミウシです。
- 観察地: 羅臼
- 学名: Flabellina verrucosa
- 標準和名: フラベリーナ・ベルルコサ
2010年5月15日
潜水医学講座 館山セミナー ダイビングによる病気・・その予防および対策
千葉県館山市でセミナーが開かれます!
夕方18:00から開催。
当日、明鐘で潜ってその足でセミナー参加しようかな!
「第1回 潜水医学講座 館山セミナー」 ~ ダイビングによる病気・・その予防および対策 ~
- 開催日 2010年6月 26日(土)
- 時間 受付開始 18:00開演18:30 閉会21:00
- 会場 「千葉県南総文化ホール」(小ホール)
千葉県館山市北条740番1号 0470-22-1811 - アクセス:http://www.nanso-bunka.jp/access/index.html
- 講師:信愛会山見医院理事 医学博士 山見信夫先生
- 聴講料 一般:1,000円 学生:500円 中学生以下:無料
山見信夫先生のプロフィール
- 信愛会山見医院理事 医学博士
- 宮崎県日南市生まれ 杏林大学医学部卒業
- 宮崎医科大学附属病院小児科、宮崎県立宮崎病院小児科、関東病院内科、埼玉 回生病院内科、東京医科歯科大学大学院健康教育学分野准教授(医学部附属病 院高気圧治療部併任)等を経て現職
- ドクター山見公式ウェブサイト ダイビング医学
- http://divingmedicine.jp/index.html
聴講者の対象:ダイビングに関わる全ての方
- ダイバー(レジャーダイバー・インストラクター、ダイブマスターなど・漁 業に従事している潜水士・職業ダイバーなど)
- 潜水障害に興味のある方
- (医師・ダイバーのご家族・ダイバー船の船頭の方々など)
申込
参加希望の方は以下のホームページから。
ハナサキウミウシ Triopha catalinae
1cm程度の小型のウミウシだったので、肉眼で見たときには、アカホシウミウシか、または、カンザシウミウシかな?と思ったのですが、カメラのファインダーで拡大して見てみたら全く違う姿をしていました。中野理恵さんの本州のウミウシ―北海道から奄美大島まで で調べたところ、107ページに記載されているハナサキウミウシ(Triopha catalinae)であると思われます。
カナダ、アラスカ、北海道などの冷たい海に棲むウミウシで、大きい物は70mmに達するそうです。
是非、次回は大きい個体を見てみたいです。
- 観察地: 羅臼
- 学名: Triopha catalinae
- 標準和名: ハナサキウミウシ
コンペイトウ Eumicrotremus birulai
マーブルちゃんの愛称で呼ばれている激レアのダンゴウオ。
羅臼の水深20m付近で大量発生中!
大量といっても数匹なのですが、なんといっても、このマーブル、ゼブラ模様は珍しい。
コンペイトウ Eumicrotremus birulaiかもしれない?
実は、本当にダンゴウオの稚魚であるのか、不明なのだそうです。
一説には、ホテイウオやナメフウセンウオに似た、コンペイトウ(Eumicrotremus birulai)の稚魚かもしれないと言われているそうなのですが、定かではないそうです。
そう言われると、ダンゴウオにあるはずの髭が無いですよね!
確かめるには、育ててみるしかないのですよね。
国立科学博物館の写真データベースで調べてみても、同じようなマーブル柄の稚魚は見当たりません。
確かに激レア!!
初めての羅臼でのダイビング。
激レアの生物たちに沢山、会う事が出来てハッピーです。
- 観察地: 羅臼
- 学名: Eumicrotremus birulai
- 標準和名: コンペイトウ
サルシアモドキ Euphysa japonica
クラゲの仲間、サルシアモドキ(Euphysa japonica)ではないかと思うのですが・・・。
こういうヒドロ虫目の生態写真が載った、いい図鑑が欲しいなぁ。
- 観察地: 羅臼
- 学名: Euphysa japonica
- 標準和名: サルシアモドキ
2010年5月14日
ホッケ Pleurogrammus azonus
発見した瞬間、「アイナメ??」と思ったのですが、どうも雰囲気が違う。
ホッケですね。ホッケには、「ホッケ」と「シマホッケ」の2種がいるそうですが、これは普通の「ホッケ」かな?
- 観察地: 羅臼
- 学名: Pleurogrammus azonus
- 標準和名: ホッケ
ヒダベリイソギンチャク Metridium senile
ヒダベリイソギンチャクという名前の六放サンゴの仲間。
今回初めて見ました。
凄い存在感。美しいイソギンチャクです。
共生生物を探したのですが、見つかりませんでした。
きっとナイトダイビングだったら・・・。
- 観察地: 羅臼
- 学名: Metridium senile
- 標準和名: ヒダベリイソギンチャク
2010年5月13日
2010年5月12日
アツモリウオ Hypsagonus proboscidalis
これが噂のアツモリウオ!
平敦盛の兜に似ているという事から名前が付けられたらしい・・・どこが、どう似ているのか??
浮袋を持っていないので、いつも砂地を這うようにしています。
ここ、羅臼の海は泥状の砂地なので、撮影をするために砂に手をつくと大変。
すぐに泥が舞い上がって、真っ白・・・何も見えなくなってしまいます。
次回チャレンジするときには、もうちょっといい写真が撮れるといいなぁ。
- 観察地: 羅臼
- 学名: Hypsagonus proboscidalis
- 標準和名: アツモリウオ
2010年5月11日
クサウオ 幼魚 Liparis tanakai
北の海のファンからは「ハナミズ君」という愛称がついてしまった子。
最近になってクサウオの幼魚である事が同定されたようです。
超人気のハナミズ君を撮影するのは大変・・・。
順番待ち必須。
本当は粘って正面から撮影したかったのだけれど・・・。
- 観察地: 羅臼
- 学名: Liparis tanakai
- 標準和名: クサウオ
2010年5月10日
アバチャン Crystallichthys matsushimae
世界で唯一、この知床羅臼の海でしか見られない深海魚「アバチャン」。
ヘンテコな名前ですが、これで立派な標準和名です。
アバチャンの名前の由来はなんだろう?ご存知の方がいたら教えてください。
通常は60m~350mの深い海に棲むといいます。
今回の羅臼への旅行がいかにラッキーだったか・・なんと、そのアバチャンを連日のように観察することができました。それにしても、面白い顔をした魚がいたもんです。
- 観察地: 羅臼
- 学名: Crystallichthys matsushimae
- 標準和名: アバチャン
2010年5月 9日
コザクラミノウミウシ Flabellina athadona
コザクラミノウミウシという東北地方より北にいるウミウシです。アカエラミノウミウシに似ていますが、ボディに白い斑点が無く、ミノも太めで、ミノ自体に白い斑紋があるのが特徴です。
水深10m程度のゴロタ場で、マーブルちゃん観察中に、「知床ダイビング企画」(HP作成中)の綾子嬢が見つけてくれました。
感謝!感謝!
- 観察地: 羅臼
- 学名: Flabellina athadona
- 標準和名: コザクラミノウミウシ
ミジンウキマイマイ Limacina helicina 《リマキナ ヘリキナ》
ハダカカメガイ(クリオネ・リマキナ)は世界的にとても有名ですが、この、ミジンウキマイマイ(リマキナ・ヘリキナ)は、名前は知られていませんが、とても可愛いしぐさをします。左右にある翼を使って、パタパタと泳ぎ、水面に向かって浮かんでいきます。ある程度浮かぶと、突然、羽を上向きに停止し、そのまま、す~~~っと落ちてくるのです。
ヘリキナという学名は、きっとヘリコプターを意味するのでしょうか?そんな感じの泳ぎ方です。羅臼の海の水深2~5m付近には、このリマキナ・ヘリキナが沢山います。ずっと見ていたくなるかわいらしさですね。
- 観察地: 羅臼
- 学名: Limacina helicina
- 標準和名: ミジンウキマイマイ
2010年5月 8日
ハダカカメガイ Clione limacina 《クリオネ リマキナ》
流氷の天使 Sea Angel
羅臼 「ローソク岩」でのダイビング、その一本目。まさかいきなりハダカカメガイを見るとは思いもしませんでした。真冬の流氷の時期には、沿岸に流れ着いた流氷の下にクリオネこと、ハダカカメガイが見れるという話は聞いていましたが、今はもう5月。沿岸部は羅臼昆布で有名な「マコンブ Saccharina japonica」が生い茂る春の海です。
いつかは、流氷の下に潜ってみたいと思っていましたが、「流氷の天使」と呼ばれるクリオネを見ることができるなんて、なんとラッキーなことでしょう。
- 観察地: 羅臼
- 学名: ハダカカメガイ Clione limacina
- 標準和名: ハダカカメガイ Clione limacina
世界自然遺産 知床 羅臼
憧れの地「知床」にやってくることができました。この知床は、ユネスコが登録する世界遺産の内、「自然遺産」として国際自然保護連合(IUCN )によって評価が行われ、2005年7月に正式に世界自然遺産として登録された聖地です。その知床に憧れて、今回ようやく念願がかない、ダイビングのために訪れる事が出来ました。
羽田東京国際空港から空路で2時間弱。女満別空港に降り立ち、陸路を2時間ほど移動すると、知床半島の南側、北方領土を見渡す大地「羅臼」に到着します。
途中、知床峠を登り、羅臼岳の頂を眺めながら半島の南側にわたります。知床峠は最も標高が高い部分で738mもあります。ダイビングに向かう往路では通ることができますが、復路では十分な時間を経過しなければ減圧症のリスクを伴うため、通ることができません。5月初旬の羅臼岳はまだ真っ白な残雪が残っていました。
知床半島のどこでも、エゾシカやキタキツネを観察することができます。
ちょうどふきのとうが芽を出し、花を咲かせていました。街道沿いや海岸、住宅の庭地・・・どこを見てもふきのとうが芽吹いていました。東京あたりでは、天麩羅などにして珍重されますが、羅臼の方々に聞くと、雑草並みの評価しかなく、ほとんどの方が「あんな不味い物食べないよ」とおっしゃいます。不味いというより、もっと美味しい物が沢山あるという事なんでしょうね。うらやましいですね。
羅臼の海岸に行くと、オオセグロカモメを観察することができます。カモメの仲間の中ではやや大型の部類。いつも餌になるものを探しながら滑空していますが、一匹が餌を発見すると、周囲から沢山のオオセグロカモメが一斉に集まり、あっという間に餌は食べつくされてしまいます。餌になるものには、もちろん海洋生物が主なのですが、人間の投棄したごみにもたかる事があります。
今回、利用させていただいた民宿「旅の途中」さんから歩いて1分。街道を渡ればすぐに海岸に出ることができます。この日は朝4時9分が日の出の時間でした。一人でカメラを持ちながら早朝の海岸を散歩するのは、とても気持ちがいいものです。ちょうどこの方角のはるか沖に、北方領土である国後島があります。早朝は靄がかかって見えませんでしたが、昼間ははっきりと国後を見渡すことができます。
さあ、羅臼での休暇が始まります。どんな生物に合えるのでしょうか?わくわく、どきどき。
2010年5月 1日
ウミウシとは一体何者なのか?
ゴールデンウィークに突入しました。今年のゴールデンウィークは、日本全国概ね天気に恵まれそうで、なにより。1週間以上のお休みの方も多いのではないでしょうか。今日もとてもいい天気でしたが、明日から初の知床・羅臼でのダイビングに向かうため、ダイビング器材も撮影機材もすべて宅配で発送済み。手元には愛機「Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 5D MarkII 」と、エバーグリーン号の船上からシャチが見れたら写そうと用意した望遠ズームレンズ「シグマ 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM 」のみしかありません。
休日を自宅で過ごすのは久しぶりなのですが、インターネットでウミウシの事を調べていたら凄い情報を見つけてしまいました。
しんかい6500
JAMSTEC | 独立行政法人海洋研究開発機構 | ジャムステックのデータベースを調べていると、国際海洋環境情報センター(GODAC)からあの、有人潜水調査船「しんかい6500」が撮影した映像を見ることができます。「しんかい6500」は、現在のところ有人の潜水艇の中では最も深い海まで潜ることが可能な船です。
深海にすむウミウシ
JAMSTEC | 独立行政法人海洋研究開発機構 | ジャムステックのデータベースには、検索機能があって、ものすごく楽しく、時間を忘れて色々と調べてしまうのです。深海生物に興味のある方は、このページから、診て見たい生物の名前を入力して検索してみてください。
ちなみに「ウミウシ」と入力して調べて見ると、なんと深海にはホクヨウウミウシの仲間が沢山いるらしいという事が分かります。注目すべきはしんかい6500 による、航海番号Y95-04 の写真です。北海道、奥尻海嶺で潜行した「しんかい6500」が撮影した、なんと水深3110mでのウミウシの映像を見ることができます。びっくりです。こんな深い水深にもこんな立派なウミウシが生息しているだなんて。
以前、内房・明鐘岬で発見された「ハナデンシャ」の事を書きましたが、このハナデンシャも本来は、数百メートルもの深海に棲むと考えられており、その為、クモヒトデを主食としているのではないかと考えておりました(自説です)。
ウミウシの存在する意味
ウミウシは広義では貝の仲間ですから、陸上~湿原~淡水~海水と生息域がとても広い生物の一族です。ですから深海に棲んでいたとしても不思議はないのですが、でも考えれば考えるほど不思議な生物ですよね。なんどもこのブログでは書きましたが、どうしてウミウシは、あんな極彩色、目立つ色をしているのでしょうか?海の中では目立たない色合い?確かに一部のウミウシは、食べている食物の色素の関係から、周辺の海藻やヒドラ類の色合いに似ているものもいますが、ほとんどの種類が、保護色という概念からはかけ離れた派手で目立つ色合いをしています。いかにも、狙ってくださいと言わんばかりの色彩です。
一部のウミウシは、捕食した珊瑚虫から得た毒素を保有することで、外敵から身を守るすべを得ているといいます。数万年の進化の過程で、ウミウシは食べてもまずい、毒を持っているという認識がはたして外敵のDNAに焼き付いていると言うのでしょうか?分かりません。真実は我々の想像を超えたところにあるのではないかと思います。でも、僕がいつも思っているのは、いつの時代か、地球環境が危機にさらされる時代がやってくる。その時、地球環境のみらいを決定する長者たる生物(=人間)が、海という環境に興味を持ち、文明の利器(=スキューバダイビング)を用いて海の神秘を紐解こうと考える時代がやってくる。その時代において、「海という世界はなんと素晴らしい世界なのか」と伝えるための伝道師としてウミウシは進化したのではないか?この時代の人間に目につくように、そして可愛がってもらえるように進化をしてきたのではないのか・・・。そんな風に感じるのです。
ウミウシは天の使い=天使だと言えば、言い過ぎでしょうか。
でも僕には最も身近な天使のように思えてならないのです。
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