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東京湾・明鐘ダイビング

 

 

 

マクロ撮影したイソギンチャクの触手

 

 

 

 

海の生物では、特にウミウシやサンゴ、イソギンチャクがとても好きだ。

陸上ではお目にかかれないような特異な姿にも興味深いが、しかしなんといってもその艶かしい動きがたまらない。

イソギンチャクの長い触手が水の流れで漂う姿を肉眼で見ても、ハッとするわけではないが、ところがこうやってカメラのファインダー越しに覗いてあげると、なんと妖艶な姿だろうと心打たれる。

真正面から、バッチリと焦点が合うように写すのも手だが、こうして何本かの触手にピントを合わせると、なぜか艶かしさが際立つ。

微風で乱れる女性の髪をイメージする。

顔がはっきり写るのもいいが、乱れた髪を手で振り払って欲しい、そうすれば良く顔が見えるのに・・・

そんな感じが、艶かしいのかもしれない。

 

このグリーンの輝きが美しいイソギンチャクは、なんという名前なのだろう。

手持ちの図鑑には似たような種は記載されていなかった。

名前が分からないほうが艶かしさも倍増するか・・・そう考える事にしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒドロゾア Hydrozoa

 

 

ヒドロ虫(ヒドロゾア、Hydrozoa)は、刺胞動物門ヒドロ虫綱の動物を指す総称である。ポリプ部分の本体をヒドロ花 (hydranth) 、下の細い部分をヒドロ茎 (hydrocaulus) 、基盤に付着する部分を足盤と呼んでいる。多くの種ではここから固着のための根のような構造が発達しているそうで、これをヒドロ根 (hydrorhiza) というそうだ。とても美しいヒドロ花を観察していると時間を忘れてしまう。

 

 

 

ヒドロゾア Hydrozoa

 

 

光を弱く当ててやると青白く、またはピンク色に輝く。たまにプランクトンのようなものを捕まえて捕食する様子が見てとれる。このヒドラ虫のポリプは無性生殖により増殖するのだが、その体の上にクラゲを形成し、クラゲの部分だけが独立して浮遊することもできる。独立したクラゲは成長の後、有性生殖を行い卵を産むのだが、受精卵は孵化後に定着してポリプとなる。この繰り返しが、ヒドロゾアの輪廻転生なのだ。ベニクラゲの仲間はこの輪廻転生を繰り返すことによって、なんと不老不死の生命体であることが知られている。

 

 

ヒドロサンゴ 

 

この小さな群落もヒドロゾアであろうか。マメホネナシサンゴの幼生かもしれない。

SF映画に出てきそうな、火の星に設置された宇宙基地・・・そんな雰囲気だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アユカワウミコチョウ Siphopteron fuscum

 

 

 

アユカワウミコチョウ Siphopteron fuscum 

 

 

アユカワウミコチョウ Siphopteron fuscum

 

 

憧れのアユカワウミコチョウ(Siphopteron fuscum)にようやくめぐり合うことができた。

この日の明鐘岬は、気温も高く水温も13~14度と、とても安定していた。

先週、ゴマ粒よりも小さなアユカワウミコチョウが発見されたのに、残念ながら僕は先にエクジットしてしまった後であり、その姿を見ることができなかったのだ。あまりに残念であったので、今週もこの地にやってきた。明鐘のパロパロアクアティックさんで、1mm単位のウミウシをこの大海原から見つけ出すことができるスーパーガイド「AKEMIさん」にお願いし、アユカワウミコチョウ探索が始まった。

水深10m。

潜水時間90分。

スーパーガイドと共に私と、もう一人のウミウシ好きなダイバー3名で虱潰しに探していく。

折りしもこの日は、某国営放送の水中カメラマン数名が、新しい装置の試験のために一緒に潜っていた。湾内中央で彼らがテスト撮影をしているのを遠眼で見ながら探索が続いた。もう、寒さが限界に達した頃、彼女の合図が海中を響き渡ったのだ。

見事!

アユカワウミコチョウである。

先週発見されたものより、一回り大きく、ゴマ粒大の固体である。EF100mm F2.8Lマクロ IS USMにクローズアップレンズを3枚重ね、撮影した映像をトリミングしてようやくこのカットになった。

 

ちなみにご存じない方のために簡単に解説をすると、このアユカワウミコチョウは、頭楯(ブドウガイ)目 ( CEPHALASPIDEA )・キセワタ上科 ( PHILINOIDEA )・ウミコチョウ科 ( GASTROPTERIDAE )・キマダラウミコチョウ属 ( Siphopteron )に属するウミウシである。世界的に有名なラドマン博士のサイト「SEA SLUG FORUM」によると、日本での発見例しか登録されていない固有種である。さらに、ウミウシ図鑑.comを見ても分かるように南方系のウミウシであり、関東地方ではこの明鐘以外での発見例は報告されていない。それほど貴重で、かつ見てお分かりの通りとても美しいウミウシなのである。

明鐘でアユカワウミコチョウが発見されるようになったのは、ついこの1~2年のことだという。1月~2月下旬に発見されることが多く、発見される固体が徐々に大きく成長していること、発見される場所がいつも似通った特定のエリアであることを鑑みると、確実にこの地で繁殖~生育していると判断できそうである。

明鐘岬で潜るダイバーは、多くても日に10名程度である。毎日数百人単位でダイバーが訪れる大瀬崎でも発見例を聞いたことがない。沖縄~九州南部の地に赴けばコンスタントに見ることができるのだろうと思うのだが、この東京湾湾口部に位置する明鐘岬で観察できるということが驚きであり、ここ東京湾の不思議さをますます興味深いものにしている。

写真に撮影することはできなかったが、運良くこのアユカワウミコチョウが水中を遊泳する姿を見ることもできた。その姿は、ハダカカメガイ(クリオネ)のように翼足(pteropods)をパタパタとはためかせて浮遊するもので、とても可愛らしいものであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イナバミノウミウシ Eubranchus inabai

 

 

せっかくイナバミノウミウシを観察することができたのに、もっとまともな写真が撮れなかったであろうか。

あまりに小さく、ピントが合っているのか判断できない。

困ったものだ。

もう少し、時期が進めば、一回り大きくなってくれるだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリモウミウシ Ercolania boodleae

 

 

 

明鐘の湾内、ガイドロープ横に何の変哲もない小石が落ちていた。

パロパロアクアティックのスパーガイドウーマンことAKEMIさんが見つけてくれたこいつは、ゴマ粒ほどの大きさ。

まず、一般のダイバーではそれが生物であるということは認識できないであろう。

彼女が指差すその先の黒い「点」に焦点をあわせたつもりでシャッターを切る。

全てが勘に頼るしかない。

なぜなら、僕にはその黒いゴマ粒がいったい何なのか見えないのだ。

真剣に海の中にルーペを持ち込もうと思った。

 

 

アリモウミウシの幼生

 

こちらはすぐそばにいた、幼生。

まだアリモらしい赤い紋様が見えていない。

ヒメクロモウミウシにも似ているが、真偽は定かではない。

周辺に砂粒のように見える砂地は、実は泥である。

このウミウシの生物がいかに小さいか感じていただけるだろうか。

 

 

 

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