ウミウシ図鑑・写真集
ヒブサミノウミウシ Caloria indica - 2009.12.25
大瀬崎 潮干帯ナイトダイビング - 2009.12.23
気温0度、風速10m。満点の星が美しい新月の夜。
いつも利用させていただいている「ダイビングハウスマンボウ」のゲストで、この日、ナイトダイビングをするのは私だけ。この日のナイトダイビングは、ちょっと変わったリクエストをしてみました。
『水深1m以内』の浅場を狙おう!
というリクエストです。
常々、気になっていた大瀬崎の超浅瀬。大潮の時には完全に水が引いてしまう潮干帯(Tide Zone)でのダイビングです。狙いはもちろんウミウシです。このリクエストに快く引き受けてくれたのが、ダイビングハウスマンボウのチーフガイドY君です。彼自身もプライベートでウミウシの観察をする時には超浅瀬を攻めているそうで、そのノウハウも見せていただこうと、急遽決定いたしました。
潮干帯でのダイビングの注意点
1m前後の超浅場でのダイビングは、波の影響をモロに受けるため、通常のダイビングと比べてリスクが大きいといえます。浅場だから安全というわけではなく、むしろ危険だと考えるべきです。いつ何時、高波が襲ってくるか分からないエリアです。しかもライトだけが頼りのナイトダイビングですから、より注意が必要です。
- ウェイトは、プラス2~4kg。アンクルウェイトも倍の量を装着する。
- かなりの量のウェイトになるので、コントロールできる技量が必要。
- ドライスーツにエアを入れないので、ピッタリサイズのドライスーツ着用が必須。
- ライトはもちろん、十分な光量のメインに加え予備を携帯する。
- 潮干帯周辺のゴロタ石周囲を観察する事になりますが、むやみに石をひっくり返すことは絶対に謹みましょう。
海の中で溶存酸素量が最も高い波打ち際は、生物も豊富ですが、海水に酸素を取り込むための重要な役割を持っています。岩肌に付着している海藻類や、沈殿物全てが微生物の生息領域になっており、海水を健全に保つ為の大切な役割を担っているのです。ですので、潮干帯でのダイビングはそういった知識やスキルを身につけたチームで行いましょう。
潮干帯はウミウシの宝庫
さて、大瀬崎湾内での超浅場「潮干帯ダイビング」のスタートです。うねりに翻弄させられながら岩場を観察すると、いるいる・・・ウミウシだらけです。この時期の大瀬崎はウミウシが少ないなんて言っていたのは誰だ!(・・・私ですね)
しかし、ウミウシがたくさん見つけられるのはいいのですが、ウネリが酷く撮影が思うようにできません。このあたりはテクニックを開発しなければなりませんね。今回は無理に身体を固定せず、ウネリに流されるままカメラの画角を維持する、Endlessblue流「ミノカサゴ撮り」のテクニックを使用しました。フォーカスを決めたら、ターゲットを見逃さないようにファインダーで追い、ウネリを使って、ジャスピン位置に戻る頃合いを見計らってシャッターを切る方法です。ちょうどミノカサゴが、眼下の獲物を狙う様をまねて「ミノカサゴ撮り」と名前をつけました;;;
欠点は・・・そう、煽って撮影する事はできません。
スプリラ・サラアミカ Spurilla salaamica
イロミノウミウシの仲間です。まだ和名はありません。
イロミノウミウシ Spurilla neapolitana
このイロミノウミウシの口元を見てみて下さい。
なんと、
ラーメンをすするように
ヒドラ虫を吸い込んでいます!!!
(別カットの拡大写真)
げげげげ~~~~っ!
こんな風に食べるの!?
良く見るとイソギンチャクの触腕を束ねて吸い込んでいるようにも見えますが・・・
いや~びっくり!!
初めて見ました!
アメフラシ Aplysia kurodai
キヌハダウミウシ属の一種 Gymnodoris sp.
ミヤコウミウシ Dendrodoris denisoni
マンリョウウミウシ Hoplodoris armata
サラサウミウシ Chromodoris tinctoria
セスジミノウミウシ Flabellina rubrolineata
ミチヨミノウミウシ Cuthona sibogae
アオウミウシ Hypselodoris festiva
いかがです?
皆さんもTide Zone Divingしてみませんか?
きっと新しい発見が待っていることでしょう。
明鐘でもやってみたいなぁ・・・。
ゴマフビロードウミウシ Jorunna parva - 2009.12.18
体長が8mm程度の小さなゴマフビロードウミウシ。
これから、2~4月のウミウシベストシーズンに向けて成長していくと思えます。
プチプチと黒い突起のようなものが見えますが、鬚ではなく(笑)、骨片束というものだそうです。この骨片束の表れ方はいろいろなパターンがあり、全身が真っ黒になってしまうような個体や、大き目の斑紋のようになるものなどがあります。
それぞれの斑紋の見え方で、Jorunna Sp.として分類されています。まあ、人間でも鬚の濃い人、薄い人・・・いろいろいますからね。
【使用撮影器材】
アオウミウシ Hypselodoris festiva - 2009.12.17
体長がまだ1cmに満たないアオウミウシの幼生です。
アオウミウシの分布はちょっと変わっていて、Sea Slug Forumに投稿されている分布を見ると、香港と日本、韓国の済州島に限定されているようです。
一方で、日本国内での分布はどうかと、ウミウシ図鑑.comで調べてみると、北は積丹半島、南は屋久島まで報告があるのに、沖縄諸島からの発見報告がないようです。
韓国済州島で発見されるのであれば、沖縄で見られてもおかしくはないと思うのですが・・・。
【使用撮影器材】
アズキウミウシ Elysia amakusana - 2009.12.16
千葉県保田の明鐘岬の湾内、水深6m。安全停止中に観察しました。
クロミドリガイでは?との意見もあったのですが、尻尾の先端がブルーに光っていましたので、アズキウミウシではないかと思います。この個体は、体長が10mm程度と、とても小さいくせに動き回るのがとても早く、撮影に手こずりました。
【使用撮影器材】