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2009年12月14日
美しい東京湾の海を守りたい
高度成長時代に高濃度の工業汚染によって死の海といわれた東京湾。
この東京湾は、世界でも類稀なる条件を持った軌跡の海なのです。
日本列島は北東~南西に長く連なっており、北は流氷の海、南には世界屈指の珊瑚礁。そのどちらもが同じひとつの国の領海にあるケースは、世界広と言えども日本以外にはないのだそうです(写真家:阿部秀樹氏の言葉)
その日本列島の中央に位置する東京湾。
湾奥部は非常に浅く、さらに数多くの大河が流れ込む芳醇の海です。浦賀水道という非常に狭い海峡によって閉鎖的な環境が作られ、その開湾部から先には、東京湾海底谷と呼ばれる深海につながっており、ミツクリザメやメガマウスシャークなどが湾内に生息する事ができる、大変稀な海です。
その奇跡の海。
長い時間をかけて自然環境を取り戻そうと、いろいろな努力が積み重ねられてきました。例えば生活排水の対策。干潟保全活動、工業排水の規制、温排水に対する規制・・・大変な努力を積み重ねて、この大都市東京に面する東京湾の自然は、回復しつつあるのです。
大切な事をひとつ認識する必要があります。
海が汚れる原因 = 人間による汚染以外の原因はない
ということを、我々は認識しなければなりません。
人間以外の生物は海を汚しません。
釣具やテグスの破棄、コンビニ袋やペットボトル、空き缶、洗剤の垂れ流し、廃油や産業廃棄物の不法投棄・・・全てが致命的なダメージを海に与えます。これくらいなら大丈夫だろうと、コンビニ袋を風に飛ばしてしまって海に捨ててしまった・・・その事と、産業廃棄物を海に不法投棄する事・・・事の重大さは大きく異なりますが、海にとってダメージとなること自体はどちらも同じです。人間の不始末を海に償わせる・・・そんな考え方はもう通用しません。自然破壊のつけは必ず我々に返ってくることでしょう。
少なくとも私たちダイバーは、人類の中で、海の自然に最も関心が高い人種です。我々自身がもっと自然環境保護に前向きに取り組んでこそ、全人類の意識が、ほんの少しでも地球に優しくなることができたら・・・そう感じます。
【使用撮影器材】
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