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2010年10月15日
青森県陸奥湾の思い出
今回、青森県陸奥湾に生物調査のために行った事をご報告しましたが、調べれば調べるほど、この陸奥湾という場所に興味をひかれます。
まず正確な場所のご紹介です。
本州最北端である大間岬から連なる下北半島。
複雑な海流に囲まれた日本列島の中でも、最も北に位置する暖流域と言ってもよいかもしれません。
日本列島を囲む海流
道田豊他著 『海のなんでも小事典』 講談社ブルーバックス 2008年3月20日第1刷発行
上記の各海流の名前は以下の通りです。
- 黒潮
- 黒潮続流
- 黒潮反流
- 対馬暖流
- 津軽暖流
- 宗谷暖流
- 親潮
- リマン(Liman)寒流
海流の影響によって、海水面の温度がどのように変化しているのか調べてみました。
2010年10月15日の海上保安庁の海洋速報です。
太平洋岸は黒潮の影響を大きく受けて、海水面の温度が30度近い状況です。
日本海側も暖流である対馬海流の影響で、22~26度程度あります。
北海道東南部、知床から苫小牧にかけては、親潮の影響で日本沿岸部では最も水温が低くなっています。
北海道西岸では、リマン海流と対馬海流がぶつかり合い、急激に海水温が下がっている様子です。
今回、調査を行った陸奥湾は、海流図でいう「津軽暖流」が流れ込む向きに湾の開口部が開いており、対馬海流とリマン海流が混ざり合った豊富な栄養素が含まれる海域となっている様子です。
さらに調べたところ、この津軽海峡の海流は、水深の浅い部分が津軽暖流、200mより深い部分が親潮の寒流帯になっているという
、極めて興味深い海域なのです。
この津軽暖流は大きく口を開けた陸奥湾に流れ込むのですが、これだけ大きな湾だというのに、最大水深が75mしかないのだそうです。東京湾の最大水深が70mですので、両者とも良く似た環境ですね。
陸奥湾 牛ノ首岬方面から「鯛島」を望む
陸奥湾フェリーの船上から見た鯛島。
初夏の5~6月は、300頭から500頭ものイルカが船の周りを取り巻くのだそうです。
これまでに撮影された陸奥湾のイルカの写真をみるとカマイルカ(Lagenorhynchus obliquidens、鎌海豚)のようでした。
是非、実際に見てみたいものです。
この鯛島の周囲ってとても気になりますよね・・・。
海の中はどんな風になっているんだろう?
それと陸奥湾奥部の大湊湾。
海上自衛隊の基地があるのですが、是非調査してみたい海域です。
極めて閉鎖的な海域ですので固有種が沢山発見されることでしょう。
いつかまた訪れてみたい陸奥湾。
早くその日が来ないか、心待ちにしております。
- 観察地: 青森県陸奥湾
- 撮影機材: Canon EOS 5D Mark2
- 使用レンズ: EF100mm F2.8Lマクロ IS USM
- 水中ハウジング: SEA&SEA MDX-PRO 5D Mark II
- 現地サービス: 東京湾・千葉・明鐘岬のダイビングサービス「パロパロアクアティック」
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おぉwwさすがバズーカレンズ^^
鯛島ってこんな風になってたんですね
魅惑的な海ですね(^◇^)
いつか潜ってみたい(^O^)/
とたみんさん>
500mmいいでしょ~(笑
SOLさん>
未知なる海って興味引かれます。
日本には不思議な場所が沢山ありますね!