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2008年11月12日

東京湾~相模湾~駿河湾 深海性希少魚の出現スポット

深海魚が現れる場所

東京湾~相模湾~駿河湾で、ミツクリザメやメガマウス、ラブカなどの深海性の希少種が発見される条件とは?

あるいは、古来よりリュウグウノツカイが目撃されると地震が起こると伝説があるように、外洋性の希少種がこの海域で発見されるのはいったいなぜなのか?

西伊豆大瀬崎を代表とするダイビングスポットで、外洋性の大型種、たとえばジンベエザメやオニイトマキエイ(マンタ)、あるいはマンボウやニタリなどが目撃されているが、どういう条件下でこれらの大型種が出現するのか?

興味が尽きません。

 

これらの希少種や大型の外洋性の魚類が、何らかの目的を持って(例えば産卵などの生殖行動)相模湾や駿河湾などの沿岸部の浅海に訪れるのであれば、定期的な周期性がありはずなので、そうではない理由があるのではないかと思ってます。

 

東京湾~相模湾の秘密を探る Megamouth Shark 「メガマウス」」の記事で、メガマウス出現の状況について調査した結果を報告しましたが、あくまで仮設としてまとめてみたいと思います。

 

1.黒潮の蛇行に関係がありそうだ

大型希少種の出現データをもっと収集し、調査してみないとはっきりしないが、どうも「黒潮が蛇行する」事に関係がありそうだとかんがえてます。

黒潮が蛇行すると何が起こるのか?  (参考記事:「黒潮の一生~2000年の命の海流」)

黒潮が駿河湾沖で大きく蛇行することは、古来より良く知られており、日本の漁業の歴史に大きな影響を与えています。

また同様に日本列島及び日本近海の天候や、海況に大きな影響を与えていることも間違いないと思います。

黒潮の蛇行によって発生する「渦」、すなわち冷水塊が、今回のテーマに関係がありそうだと考えました。

すなわち、黒潮の蛇行によって発生した「渦(冷水塊)」は、1000m以深の深海より大量の深層海洋水を表層に巻き上げていきます。その巨大な渦によっていろいろな種類の生物たちが、深海から表層に運びあげられるのではないかと考えました。

 

2.深海性の生物にとってのダメージ

急速に表層に運びあげられた深海性の生物たちは、急激な水圧の変化にどこまで耐えられるものなのでしょうか?

恐らくほとんどの場合、生命の維持のための機能に大きなダメージを受けてしまうのではないかと思えます。大瀬崎でダイバーに目撃される深海性の希少種のほとんどが、元気がなく、ふらふらの状態で目撃されていることもヒントになります。

 

あわしまマリンパークのラブカ(静岡県沼津市内浦重寺)

 

要するに、これら近海で目撃されている深海性の希少種は、生活習慣として近海に「来た」のではなく、何らかの外部要因によって「運ばれてきた」と考えるべきではないかと思います。

 

3.台風による風波の影響

もともと、風波の影響がほとんどない深海で生活している生物たちにとっては、海流に耐えうる骨格や筋肉組織を持っていません。1000mの深海では、表層での流速に比べて海流はほとんどないに等しいのです。したがって、黒潮の蛇行によって発生した渦に巻き込まれ、急速に表層に運ばれてしまった深海魚たちは、急速な水圧の変化によるダメージの他、表層の風波によって発生する海流によってもさらにダメージを受ける事になります。

例えば、遠くフィリピン近海で発生した台風による「土用波」が、日本列島に到達する際、表層を息絶え絶えに泳ぐ深海魚たちは、繰り返し押し寄せる土用波によって沿岸に打ち上げられる可能性が高くなります。

この土用波等の台風による風波は、季節来遊魚、死滅回遊魚を南海から日本近海に運ぶ役割も担っています。

 

4.定置網

沿岸部に打ち寄せられた深海性の希少種は、設置されている定置網に捕獲されたり、あるいはダイビングポイントでダイバーに目撃されることになります。

もともと定置網は、海流に対して効率的に魚類を捕獲できるような位置に設置してあるため、遊泳力がほとんどない、深海性の希少種は容易に捕獲されてしまいます。

また、伊豆半島周辺のダイビングポイントは、比較的安全にダイビングが楽しめるポイント・・・要するに海流の影響を受けにくい場所であり、いわば吹き溜まりのような場所なわけです。そういった場所に流されてきた深海性の希少種たちがたどり着く事も想像ができます。

 

ダイバーにとっての深海魚

いかがでしょうか。

あくまで仮説ではありますが、理屈としては深海性の希少魚が、表層の海に運ばれてくる仕組み、そしてその場所は、黒潮が蛇行する事によって発生する「渦」、すなわち冷水塊の発生場所に深くかかわりがあること、そして土用波などの風波の影響によって沿岸部に打ち寄せられて、人の目にとまること・・これらの一連の仕組みを考えてみました。

あくまで仮説ですので、その点ご留意ください。

 

・・ということで、深海性希少種を見たいダイバーの皆様。

「狙う」事が可能になるかもしれませんね。

 

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