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2010年1月14日

フサギンポの抱卵とケムシカジカの卵 Chirolophis japonicus

 

 

宮城県南三陸町志津川では、フサギンポ(Chirolophis japonicus)を観察することができる。オオカミウオほどではないけれど、頭でっかちで大きな顔面は、強烈なインパクト。

 

フサギンポ(Chirolophis japonicus)

 

 このフサギンポが抱卵しているというので早速観察してみた。水深18mくらいの水底にある岩礁帯の窪みに彼は巣穴を設けていた。体長が30cmから大きいものでは1mを超えるものまでいるが、この固体は40cmほどの中型のもののようだ。卵がどこにあるのか探してみると、なんと岩の隙間からさらに20cmほど奥まった岩盤の壁に産みつけられている。

 

 

フサギンポ Chirolophis japonicusの抱卵

 

フサギンポの顔の大きさから判断すると、卵の大きさは直径が1cm以上あるのではないだろうか。とても大きい。アイナメやクジメの卵が数ミリという大きさだったから、この大きさは只者ではない。胸鰭を大きく広げて、卵を守っている様子だ。たまに胸鰭を仰いで新鮮な海水を卵にかける姿がほほえましい。

 

フサギンポ Chirolophis japonicusの抱卵

 

トリミングして拡大してみた。もう幼魚の眼が見えている。この小さな子供たちが大きく育ってくれることを祈りたい。

 

 

ケムシカジカの卵

 

ケムシカジカHemitripterus villosusの卵

 

こちらは、ケムシカジカの卵。先ほどのフサギンポの巣穴近くの岩礁帯に産みつけられているのだが、フサギンポが水底近くの巣穴に産まれているのに対し、このケムシカジカの場合は、同じ岩礁帯でも水底から1m以上も上で、しかもオーバーハングした出っ張りの隙間奥に産み付けられていた。

 

ケムシカジカは、やはり大型になるカジカの仲間で、フサギンポ以上に顔がごつい。普段生息している場所は水深100mより深い場所と考えられているが、産卵のためにこんな浅場まで上がってくるのだ。卵の量があまり多くないのではと思うのだが、ひょっとしたら数箇所に分かれて産卵しているのだろうか。だとしたら、雌雄が何度も放精~産卵していることになり、産卵現場を目撃することもあるかもしれない。しかし、これまでその現場が撮影されていないということは、夜間に行われている可能性が高いのではないだろうか。一度、観察してみたいものである。 

 

 

 

 

 

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コメント(2)

フサギンポって、ホント大きいですよね(@_@)

初めて見た時(宇登呂)は、
ギンポってイメージから逸脱した大きさだったので
とってもビックリしました。

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