« 志津川の海 ヒナムシャギンポ Alectrias sp. | ホーム | フサギンポの抱卵とケムシカジカの卵 Chirolophis japonicus »

2010年1月13日

ダンゴウオ Lethotremus awae

 

 

 

ダンゴウオ Lethotremus awae

 

 

 

宮城県南三陸町志津川の海。

クチバシカジカの生息が国内で唯一確認されている貴重な海である。その志津川は、カムチャッカ半島から流れ下る親潮(千島海流)と南太平洋から上ってくる黒潮が混ざり合い、芳醇な環境が生み出される特殊な海域にある。だから志津川の湾内は牡蠣の養殖がとても盛んに行われており、秋には志津川市内の川にたくさんのシロザケが遡上してくる。

その志津川で、初めてで唯一のダイビングサービスを運営しているのが「グラントスカルピン」である。このグラントスカルピンさんの店名にもあるようにクチバシカジカが観察できるという口コミで一気にその名を全国に轟かせることになったのだが、実はさらにこの地を有名にしているのがダンゴウオなのである。

上の写真は、正真正銘のダンゴウオである。ダンゴウオの体色と体表の突起の変化は数日でがらっと変わってしまうほど、ドラスティックだそうだ。生活環境や水温、周囲の海草やカイメンなどに真似て、体色を自由に変化させることができる、忍者のような魚だ。

 

小さいということも理由の一つだが、このダンゴウオをうまく撮影するのが、これが結構難しい。その可愛らしい表情がなかなか表現できないのだ。特にこのピンクのダンゴウオは、唇が紫色で、間違うといじけた様な寂しい顔になってしまう。この日も何度もストロボをたいて、体色に色合いを出そうと試みていた。というのも、先日、大瀬崎でのハナダイ撮影で気がついたのだが、全ての魚がではないけれど、一部の魚はストロボをたくさん浴びせると、どうも興奮するのか体色が良くなってくるように感じられるのだ。体色に明るさが出てきたころ、ふっと口元が緩む瞬間があった。その瞬間に撮影したのがこのワンカット。ちょっとまだ、表情が硬いよね。

 

 

 

 

 

 

Check

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://iforce.sixcore.jp/mt5/mt-tb.cgi/1112

コメントする

この記事に対する評価は星いくつ?

星1つ星2つ星3つ星4つ星5つ

タグクラウド