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2010年3月16日

スズキ(鱸) Lateolabrax japonicus

スズキ(鱸)Lateolabrax japonicus

 

湾内でのナイトダイビングを楽しんでいた時のことだった。

ゴロタ下の砂地、水深8mに群れているクロサギの群れがライトに反射してギラギラと輝いていた。

鋭い稲光が光ったかのようにクロサギの群れが飛び散った。

 

「何!?」

 

何者かがクロサギの群れをめがけて襲いかかっている。

ライトが届かないのでよく見えないが、真っ黒な大きな影が群れに突き刺すように動いている。

黒い影から逃げ惑うクロサギがライトに照らされ、まるで砕けた鏡が水中に舞っているかのようにきらめいている。

 

正体はこの「スズキ」だった。

1mを超える大物のスズキだ。

ゴロタの壁を巧みに利用し、群れから離されたクロサギを壁際に追いやる。

すぐさま反転し、真上から襲いかかる。

群れから離された時とは、全く違う真上からの連続攻撃で、クロサギの方は対処不能。

身動きすらできず、硬直状態のまま、一瞬で飲み込まれていく。

 

何匹も何匹も・・・その様子は、第二次世界大戦の戦闘機戦で見られる「High-Yo-Yo」と呼ばれた戦法に似ている。

敵機を全速力で雲に向けて追い込み、そのまま加速度を利用して上昇、失速寸前に反転しながら落下加速度を伴って、敵機を真上から追撃するのだ。雲に面前をふさがれ、後ろから追われていた恐怖をぬぐえないまま逃げ道を失った状態で、真上からという意図しない方向から留めをさすのである。

 

見事としか言いようがない。

どうにかしてこの水中で繰り広げられたドッグファイトを撮影したかったのだが、残念ながら光が届いていなかった。

生死を分ける戦いは常に漆黒の暗闇で行われるのだ。

 

 

 

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コメント(2)

σ(゚Д゚*)もこのスズキを見ました^^

夜の海でひときわ異彩を放ち、魚を蹴散らしつつ貪欲に
エサを追いかけていました。

プレデターですねぇww

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