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2008年8月18日
季節来遊魚・死滅回遊魚
季節来遊魚という言葉があります。
以前は、
死滅回遊魚
とも呼ばれていました。
伊豆の海に潜るとたくさんの種類の季節来遊魚を見る事ができます。
クマノミやタテジマヤッコ、ムレハタタテダイ、ミツボシクロスズメダイなど・・・。
本来東京湾や相模湾よりもはるか南方、東シナ海の熱帯地域に生息する魚たちが、黒潮や台風の影響で運ばれ、日本の近海に定着してしまう魚たちの事を「季節来遊魚」と呼んでいるのです。
季節来遊魚は黒潮が日本列島に接岸する7~8月、あるいは台風が上陸する9月に現れ、冬の低水温期に越冬できず、そのまま消えるように死滅してしまうため、死滅回遊魚という悲しい名前が付いています。
確かに、伊豆の海ではどのポイントでもたくさんの種類の季節来遊魚を見る事ができます。
自力で黒潮の流れに戻る事が出来る、季節来遊魚には、大物ではジンベエザメ、オニイトマキエイ(マンタ)などが、伊豆のダイビングポイントに突然出現してニュースになる事がありますね。
これらの大物魚類は、泳力が強いためか自力で外洋の黒潮まで戻る事ができます。
ところが、サンゴ礁に定着するようなスズメダイの仲間やクマノミなど、多くの種類は、外洋に自ら泳ぎ出る事はありえませんから、そのまま越冬できずに死滅してしまうんです。
悲しい事のようですが、本来の自然のサイクルでは当たり前の現象なんですよね。
こうして、種の交配が行われて生物の進化が促進されるのかもしれません。
逆に、東伊豆の温泉街からの排水やダイビングセンターからの温排水が原因で、厳冬期でも一定の水温が保たれるような場所では、これらの熱帯性の魚種が越冬する事ができ、新たな生態系を生み出してしまうのではないかと心配になったりします。
例えば、東京湾のある場所には見事なサンゴ礁が形成されているという話をよく聞きます。
単に地球温暖化という問題だけではなく、いろいろと複雑な要因が重なってこのような異常現象が生じるのでしょう。
流れ流され異国の街で・・・なんて、演歌の歌詞のようですが、少なくとも東京に近い伊豆の海で、クマノミやスズメダイなどの人気のある熱帯性の魚種が観察できるというのは、ダイビングをしてみようと考えるビギナーの方々にはいいことではないかと思います。
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