« Grant Sculpin クチバシカジカのハッチアウト | ホーム | カミクラゲと寄生生物 Spirocodon saltator »

2010年3月 9日

ヒメフタスジカジカ Icelinus japonicus の卵

ヒメフタスジカジカ Icelinus japonicus

 

5年ほど前志津川の海は、磯焼けしたのだそうだ。

磯焼けというのは、海流の変化、水温変化、水質、食害、その他の原因が複雑に関連して、結果的に一帯の海藻が絶滅に近い打撃を受けることを指す。磯焼けになると周囲の生態系は大打撃を受け、ある特定の生物(例えばウニなど)だけが大量発生し、他の生物が全く住めなくなってしまう状況になる。志津川の場合は、何かの理由でウニが大量発生し、ウニがカジメやワカメなどの海藻の芽をすべて食いつくしてしまうことが磯焼けの直接的な原因を作っていたそうだ。

グラントスカルピンの佐藤長明氏によれば、毎日、ひたすらに海に行き、異常に大量発生したウニを駆除することで、磯焼けで死にかけた志津川の海を復活させたのだという。

写真はヒメフタスジカジカの卵である。通常は、フジツボの貝殻の中や岩礁の隙間などに産みつけられるのだが、この卵は都合よくも撮影しやすい平らな岩の陰に産みつけられていた。

ピンクやオレンジ、ブルーなど極彩色でありながら、なにか宝石を見ているような気高さを感じる。よく見ると既に稚魚の形が見えているものもある。この美しい色合いを見ると、芳醇という一言では語りつくせない、海の奥深さを感じさせる。

 

 

Check

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://iforce.sixcore.jp/mt5/mt-tb.cgi/1275

コメント(2)

まるで、ルビーを思わせるような綺麗な色!!

コメントする

この記事に対する評価は星いくつ?

星1つ星2つ星3つ星4つ星5つ

タグクラウド

最近のコメント