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2010年9月17日
ZEROドライスーツ LEGEND-HYBRID 24K 最強のダイビングスーツ
今年の春の事になりますが、ドライスーツを新調したので遅ればせながらご報告。
今回でZEROのドライスーツは、4着目。
WorldDive社のドライスーツを含めると6着フルオーダーしたことになります。
そもそも、なぜZEROのドライスーツを選ぶようになったか、そのいきさつについては、このブログでも何度もご報告いたしました。
過去の記事をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。
冬でもダイビングしたい!それがきっかけだった
ドライスーツを色々と物色するようになった気かっけは、もう何年も前になりますが、冬の透明度の高い海に潜ってみたいと考えるようになった事がきっかけだと思います。初めてのCカード(JP日本職業潜水士協会で取得)を取得してから、かれこれ20年以上経ちますが、長い間、ダイビングと言えばひたすらに泳ぐ、大物を見る!・・・これしか興味がなかったんですよね。もちろんコンパクトデジカメをハウジングに入れて水中に携帯する事はあったのですが、どうして写真撮影が面白いのか理解できないでいました。
冬の駿河湾は美しいと聞いて
Cカードを取得してから10年以上はIOPや富戸など、東伊豆・相模湾の海に潜る事が多かったのですが、久しぶりに大瀬崎に潜りに行く機会があり、改めて駿河湾の素晴らしさに感動した記憶があります。ダイバー仲間達に聞くと、冬の大瀬崎はとても透視度が良く、素晴らしく綺麗だという話を聞き、これは是非、冬にも西伊豆に行ってみたいと考えるようになったのでした。
極寒地用のドライスーツ
早速、オーダーしたのは、WorldDive社の5.5mm+4回ラジアルコーティングのドライスーツでした。このドライスーツには大変苦労させられました。まず、重たい。5.5mmという分厚さとラジアルコーティングのため、両足、両腕が曲がらない・・・というより動かないのです。さらには、潜行するために必要だったウェイトは14kg以上。これは参りました。
まだ当時は元気ハツラツ、バンバン泳ぐタイプだったのですが、あの伊東での出来事があって、このままではマズイと・・・そう痛感したのでした。
伊東での出来事とは・・・
当時、伊東でのボートダイビングにはまっておりまして、毎週のように伊東に通った時代がありました。伊東の五島根(ごとうじね)というポイントは、潮流が激しく当たるため、大物の群れ、あるいはマクロ物も豊富に観察する事が出来、東伊豆では文句なしのスーパーウルトラNo.1ポイントなのです。
その日は、ちょっと前日の仕事の疲れが残ったまま、WorldDive5.5mmのドライスーツに14kgのウェイトを装着し、五島根に向かったのですが、かなりの風と波があり、ポイントを示す梵天が見えないほどの状況だったのです。しかし我々は、何とかなるだろうと考え、ビギナーグループがエントリーするのを見届けながら、船の最後端からエントリーしたのでした。飛び込んだ途端「しまった!」と感じました。目の前は波が作る泡で真っ白。全く見えません。激しい潮流でどんどんと流されます。しかも5.5mmのドライスーツは身動きが取れずほとんど泳げない状況。14kgのウェイトを装着したまま格闘・・・2分もしないうちにオーバーヒートしてしまいました。
結局その日は、タンクのエアーをエントリー時に使い果たし、そのままエグジット。ボートで仲間の帰りを待っていたのですが、事件はその直後に起きたのです。なんとボートを係留していた梵天のロープが、あまりの潮流の激しさに耐えられず、なんと切断してしまったのです。この激流で、ビギナーダイバーが10名以上・・・船長と私とで緊急用のロープを用意したり、目測でポイントの位置を探したり・・・。
しかし、減圧停止するためのロープもなく、どうやって上がってこれるのか?その日は、僕の師匠が潜っておりましたから、彼ならなんとかするだろうと少しの安堵感はありましたが、自分がリーダーだったらどうしたらいいのか?と考えを巡らせながら、仲間の浮上を待ったのでした。結局、僕の師匠は、なんと水中でありったけのシグナルフロートをかき集め、その細いロープをつなぎ合わせ、ビギナー全員をそのロープにつかまらせて安全停止をし、事故なく浮上してきたのです。(最後の一人がエクジットする寸前で切れてしまいましたが)
コンディションの見極めの甘さやチーム編成の甘さなど、反省点が多々ありましたが、この日以来、ドライスーツをなんとかしなければならないと決心したのでした。(WorldDive社の名誉のために書き添えますが、決してWorldDive社のドライスーツが悪いという事ではなく、潮流の激しい海況でのダイビングは厳重な注意が必要(=潜るべきではない)である事、そして5.5mmという重量級のダイビングスーツは全く不向きであるという事をお分かり頂くために記事を記載しております)
ZERO LEGEND-HYBRID 24K
その後、前日したようにZEROのドライスーツ「RD2」にめぐり合い、真冬の大瀬崎の美しさを堪能する事が出来るようになったのですが、そんなときにZEROが新しい製品を企画中との情報があり、運良く試作品をモニターとして半年余り使用させていただく機会に恵まれました。その試作研究を通じて開発されたのが、新しい「LEGEND-HYBRID 24K」なのです。
RD2と同様に2mmという限界まで薄くした生地をしようしているため、軽く、柔軟性に優れているのが特徴です。さらに今回はフロントジッパーを採用し、単独でドライスーツの脱着ができるというとても素晴らしいデザインとなって生まれ変わりました。
フロント開口部に取り付けられた「T-ZIP」。こいつのおかげで一人で脱着可能になりました。
強度も申し分なく、自分がやったテストでは、2mの高さからの堤防からジャイアントストライドでエントリー、水深40m以上の水圧でもジッパーの異常、破損はありませんでした。
クリップ式の吸気バルブ(オプション)。流氷ダイビングで仮に凍りついたとしてもクリップを手で引き抜く事ができ、事故を防ぐ事ができます。
フロントジッパーを採用しているため、排気バルブは肩ではなく、手首に装着されます。水中でカメラハウジングを構え、写真撮影しながら中層を泳ぐとき、ちょいと左手を上げるだけでエアーを調整する事ができます。肩のバルブでは、体よりも高い位置にバルブを意図的に持っていくことができませんから、Autoモードにしていても抜けが悪いのですが、手首なら、腕を上げるだけでバルブを高い位置に持っていくことができるのでとても楽なのです。
オプションで装着したポケット。太もも部分に付けられます。レンズをしまったり、スレートをしまったり、とても便利です。
膝の部分には、ひょうたん型パッド(オプション)を付けています。これがあると、ビーチの岩場で擦れからスーツを守る事が出来ていいですね。
ブーツはもちろん「Zブーツ」。
滑りにくいばかりか、角がないのでフィンの脱着が簡単。
しかも完全に裏返す事が出来る優れものです。
右手首にはロゴマークをたくさんつけてもらいました(オプション)!
カメが3つで、カメサン・・・だそうです(志津川の若女将談)。
今回、LEGEND-HYBRID 24Kを発注させていただいたのは、なんといってもゲストのほぼ全員がZEROオーナーだという志津川の巨星、「グラントスカルピン」さんです。ドライスーツはウェットスーツに比較して、採寸箇所が遥かに多いばかりか、シーズン毎にインナーウェアを調整できるよう、経験・ノウハウをつんだショップに発注される事をお薦めします。安いからという理由で、慣れていないショップに発注すると大変な目に会いますよ。(着れない、動けない、苦しいなど・・・)
グラントスカルピンさんでは、独自の経験から、お客様の寸法を採寸した後、数値を微調整されているそうです。おかげで、着心地最高、運動性能抜群の絶妙の寸法で仕上がってきました。
- 撮影機材: Canon EOS 5D Mark2
- 使用レンズ: EF100mm F2.8Lマクロ IS USM
- 水中ハウジング: SEA&SEA MDX-PRO 5D Mark II
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